AIT work abroad
#013 アメリカ・ロサンゼルス
Mr.Izawai
優塾
代表取締役 井沢しんご社長

優塾
代表取締役 井沢しんごさん


日本の工業大学を卒業後、インテルジャパンにて一年間働く。高待遇と安定した生活を手にするが、本来の自分の姿とのズレを感じ、視野を広げるべく、渡米を決意。渡米したものの、定職に就く迄の道のりは長く、ストラグルに満ちた日々を送る。29歳の時、現在社長を勤める優塾の面接時に、前社長から塾売却のオファーを授かり、今に至る。現在も尚、当塾算数のクラスにて教鞭を握っている。

 
 

ー自分の資質をよく考える。必要以上に背伸びせず、"好き"を仕事に。−

 

インテルジャパンと言えば、大企業ですし、高待遇だったというのに、全てを捨ててアメリカに来たい、と思われたのはどうしてですか?

小学生の頃から、サラリーマンにはなりたくなかったんです。電車の中でうつろな顔をしたオジさんたちを見て、子供ながらにも、"何が楽しくてこんな人生を送ってるんだろう?"と疑問に思っていました。 大学卒業後、当時はまだ小さかったインテルジャパンにて働き始め、確かに待遇はとても良かったけれども、"このままでいいのだろうか"と思う様になり、自分が本当に何をしたいのかを見つける為に、渡米を決意しました。
自分が何をすればいいのか分からない時、全てを捨てて新しい場所に行くと、今迄気が付かなかった事も目に入って来たり、新しい自分が見つかったりしますものね。 では、渡米してから、どのようにして優塾に出会ったのですか?
最初はLAではなくてサクラメントの近くにある、UC Davis のESLクラスを3ヶ月間受講しました。その後、ロサンゼルスに移りました。その当時は生活の為にレストランでバイトの日々でした。その頃、結婚もしたばかりだったので、毎日の生活で一杯一杯でした。
でも、レストランの仕事はどう頑張ってみても好きにはなれなくて、何をしたらいいのか分からず、とても悩みました。 でも、上昇志向が強かったので、色々な仕事をトライしました。一時はカジノでプロを目指したりもしていました。 学習塾でバイトをしたり、塾の立ち上げを手伝ったりしていたことなどから、教える楽しみが分かって来て、興味も出て来ました。
丁度その頃、優塾で塾頭を募集していて、面接に向かった所、前社長からその場でいきなり、"優塾を買わないか?"と売却の話を頂きました。その時は29歳で、資金も無かったけれども、引き受けてみる事にしました。
定職に就く迄は長い道のりだったのですね。でも、出会うべくして優塾と出会ったのですね。
会社を引き継いだ後は、どのようにして塾を大きくしていったのですか?

安定するまでは、2〜3年程かかりました。先生なんてとても雇えなくて、妻と二人で切り盛りしていたのですが、生徒一人減ると収入がガクンと下がってしまう、なんていう生活でした。 それに、社長としての一面と、教師としての一面を保つのも難しかったです。生徒を増やして利益を増やす事を考えなければいけないのと同時に、教師としてクオリティの高いクラスを提供することも考えなければいけないので。
でも、元々、職人タイプの性格なので、塾をもっと大きくしていく、とかもっと教室を増やす、というよりは、コツコツ続けて質の高い教育を提供して、みんなで楽しく出来るような教室にしよう、と思う様になりました。

2〜3年して安定してきたとのことですが、塾はどのように変化したのですか?
少し安定して余裕が出来たので、外部から教師を雇い始め、もっと幅広く、色々な教科を教えられる様になりました。
 
優塾では、どのような人材を必要としているのですか?
優塾の生徒はほとんどが日本人ですし、親御さんも当然日本人です。スタッフももちろん日本人。そういう意味では、日本の会社で働くのとほとんど変わらないと言ってもいいと思います。ですから、日本人として当たり前の事、礼儀作法や丁寧な言葉遣いなどを身に付けられている方を必要としています。しかしこれは優塾だけでなく、日本の会社で働くのであれば、多かれ少なかれ要求されることだと思います。"ここはアメリカだから、こんなもんでいいだろう"と思ってはいけません。さらに、教師は生徒にとってのお手本になる人なので、授業だけでなくて、その人の性格全てもお手本になれるような人が望ましいですし、教育に対する情熱があって、子供が好きであるのは必須条件ですね。
そのような人材は、どのようにして見極めるのですか?
面接の時に話していると大体感じて来るものなのですが、"子供好きですか?"という質問をした時の対応は重要視しています。"ええ、まあ‥…。"などという曖昧な返事の場合は、余り好きでないのが感じられますね。また、笑顔の明るい方や、質問に具体的な理由を付けて答えられる人は、教師に向いているかも、と思えますね。現に、優塾では、明るくて、意見をキチンと伝えられる方々が多く働いております。
 
日本に居る、アメリカにて就職希望の方々に、会社選びのアドバイスを!
大企業ばかり見ていないで、小さい企業に行った方が、幅広い経験が出来ると思います。給料や待遇だけで選ばないで、好きな仕事をするべきだと思います。自分の資質をよく考えて理解することが必要です。必要以上に背伸びして大きな事をしないで、自分をよく見つめて、自分が本当に何がしたいか、を考える事が大切だと思います。 そして、人一倍働く、という気持ちがある人ならば、社員としてでも起業家としてでも成功するはずだと思います。
そうですね。自分をよく理解出来る様になれば、おのずと見えて来るものですよね。 では、最後に将来の夢を聞かせて下さい。
先に述べた様に、優塾をこれからもっと大きくするつもりはありません。アメリカに居て、日本に貢献したい気持ちが出て来たので、日本に帰って、孤児たちに塾を開いて、教育を与えて彼らの可能性をもっと広げてあげたいと思っています。
やる気はあるのに、お金やチャンスの無い子供たちは沢山居ますからね。彼らにより多くのチャンスを与える事はとても意義のあることだと思います。
インタビューアの感想
教える楽しみを知り、日々生徒たちに楽しい授業を提供している井沢さん。クラスは活気に溢れ、生徒たちも新しい事を知っていく喜びを日々実感していることでしょう。 日本の孤児たちによりよい教育を与えたい、という素敵な夢を語ってくれた井沢さんは、現在、現地の小学校にて算数を教えるボランティアもしているそう。
様々な試練を乗り越え、教育に対する情熱を自分の中に見つけて、それを育てるべく日々教鞭を握り続ける井沢さんは、教科書では教えきれない、本当の意味の教育をそれぞれの生徒たちに訴えかけています。

小さい頃、こんな先生に出会っていたら、私の人生は随分違っていたのでは‥…、なんて生徒たちが羨ましくなってしまいました。

Interviewer: 西川あゆ(Ayu Nishikawa)

 
井沢社長、お忙しいところどうもありがとうございました!!